当社が参画するNEDO※1のプロジェクト(東京大学等のグループ)は、印刷で製造可能な有機温度センサと高性能有機半導体デジタル回路を開発し、電子タグとして温度センシングと商用周波数での温度データ伝送に世界で初めて成功しました。
今回、従来の塗布型有機半導体よりも、10倍以上高い性能の有機TFTが、1/10以下の低コスト化が可能な印刷法でp型及びn型の半導体薄膜が形成でき、CMOS回路※2として集積化できることを示しました。塗布・印刷法等により一度に大面積フィルム上にデバイスを形成することにより、低コストの生産が可能となるため、物流を効率化する省エネ用電子タグや、医療用センシングデバイスなどの普及につながる事が期待されます。
このプロジェクトにおいて当社は、東京大学等とともに、印刷可能で、キャリアの高移動度かつ熱安定性に優れるp型有機半導体「アルキルDNBDT」を開発しました。これは、今回開発された高性能有機半導体デジタル回路に用いられております。
なお、2015年1月28日から30日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2015」において、本成果を用いたRFID信号の伝送実験の実演を予定しています。当展示会へお越しの方は、是非NEDOのブースへ足をお運び下さい。
http://www.nanotechexpo.jp/main/index.html
今後も当社はNEDOプロジェクトへの参画をとおして、有機エレクトロニクスデバイスの更なる高性能化を目指してまいります。
(※1)NEDO・・・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の略称
(※2)CMOS回路・・・Complementary Metal-Oxide-Semiconductor回路は、p型及びn型の有機半導体を用いる
薄膜トランジスタを集積させた回路。
本件に関するお問い合わせ先
JNC株式会社 研究開発本部付 加藤 隆
以上